ITスタートアップの聖地、シリコンバレーを視察して分かったこと

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ノマド投資家 小泉雅史です。オマハのバークシャー・ハサウェイ株主総会に出席後、ITスタートアップの聖地、シリコンバレーの視察に向かいました。不動産投資にも「新築物件投資」と「中古物件投資」があるように、企業にも「新規企業投資」と「既存企業投資」があると考えています。

 

バフェットを不動産投資家に例えると、まさに「中古不動産投資家」ですね。安定キャッシュフローを生み出す「既存企業」へ投資・買収するスタイルは、安定家賃キャッシュフローを生みだす既存の中古不動産を1棟買いすることと本質的には同様と捉えています。一方、シリコンバレーのスタートアップ投資は、不動産で言えば「新築不動産投資家」です。「新規企業」の事業計画段階からの投資もあれば、建物完成時点での投資、完成後の入居者募集段階からの投資もあるでしょう。

 

不動産投資家にも新築も中古も手掛ける人がいるように、企業投資家にも新規企業も既存企業も手掛ける人がいてもおかしくないと考えています。そして今回の米国訪問は、バフェットのバークシャー株主総会に出席して「既存企業投資の成功モデル」を視察し、その後、シリコンバレーで「新規企業投資の成功モデル」を視察することがテーマの旅だったのです。

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今回の視察を通して理解した「バフェットの既存企業投資の成功モデル」はこれまで数回の記事で書いたので、今回からは、「シリコンバレーで見た新規企業投資における成功モデル」について書いてみたいと思います。

 

新規企業は分かりやすく例えると、企業の赤ちゃんです。大人の既存企業は自立していますので、バフェットの取る放任主義も十分成立しますが、まだヨチヨチ歩きの新規企業は親の積極的な関与が必須です。その洗練された育児環境がシリコンバレーには存在し、実際にインキュベーターやアクセラレーターに代表される育児プロセス・サポーターが多くのスタートアップ企業の育成をリードしているのだと考えています。

 

新築賃貸不動産で言えば、建築用地の発見、需要調査、事業計画立案、投資、建物建築、入居者募集、満室経営の実現といった一連の「開発プロセス」と、その成功を助ける建築業者や不動産会社、融資を付ける銀行、司法書士や税理士、保険会社などの存在です。スタートアップ投資で成功するには、企業版の「開発プロセス」を習得することが必要ですが、シリコンバレーの開発プロセスとは一体どのようなものだったのでしょうか?

 

それは冒頭の画像にある「ECOSYSTEM(エコシステム)」と呼ばれるものでした。これはGoogleが創業期にオフィススペースを借りていたことでも有名なシリコンバレーの老舗インキュベーター、「PLUG and PLAY」のエコシステム図です。ここに入居するスタートアップ企業は事業の成長に必要な以下のような様々なサポートを受けることができるのです。

 

1. Corporate Innovation
Targeted Deal Flow Sessions, Technology Match-making, Industry Specific Acceleration Programs
2. Logistical Support、
Office Space, Conference Rooms, Event Venues, Cafeteria, Data Center, Marketing and PR
3. Mentorship
Pitch Polishing, Entrepreneur Workshops, Service Partner Office Hours, Eir Advisors On Site
4. Networking
Plug and Play Fueled Business Development, 150+ Events Per Year
5. Investment
60+ Early Stage Per Year, VC Follow On, Co-Investment

 

日本のインキュベーターでこれだけのフルサービスを提供出来ているところはほとんど無いのではないでしょうか。さらに施設内には、日立、富士通、パナソニック、京セラなどの日系企業や世界の大企業が多数オフィスを構えていて、有望なスタートアップを見つけると技術支援や提携契約の機会を提供しているそうです。凄いですね。

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さらに、PLUG and PLAYの各スタートアップが「Valuation(企業価値)」に応じてランク分けされたポスターが壁に貼ってあり、どの企業がどのくらい評価されているのかも一目瞭然。当然、頂上の「EXITS」を目指して各社頑張っているわけですが、素晴らしいのは、自社の企業価値がどのくらいあるのか、どのような企業が評価されているのか、どうすればさらに自社の企業価値を上げられるのか、そしてどのくらいを目指すのか、このポスターを見ていると各社明確にできるわけです。単にサポートを提供するだけではなく、結果も「見える化」することで、エコシステムのPDCAを回す仕組みがあることが素晴らしいと思います。

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これまでの話はPLUG and PLAYという1つのインキュベーターにおけるエコシステムの話ですが、じつはシリコンバレーの街全体がこのようなエコシステムを形成しているというのが実態だと思います。スタンフォード大学という全米トップの学術研究機関を中心に、その前のSand Hillという通りには有名なベンチャーキャピタルが軒を連ね、さらに多くのエンジェル投資家がシードレベルのスタートアップにもリスクマネーを提供しています。街にはスタートアップが利用できるCo-Working Spaceやカフェが溢れ、起業家と投資家が出会うプレゼン・イベントも多数開催されています。また、起業成功者や実業経験豊富なメンターも多く存在し、インキュベーターやアクセラレーターとして若い起業家の支援に当たっています。何より、そのような最高の「起業環境」を求めて世界中から優秀な起業家が集積しているのがシリコンバレーなのですね。

 

次回は、実際に視察したシリコンバレーの施設・機関について感想を書いてみたいと思います。

 

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