本場アメリカでAirbnbに宿泊して分かった2つの事

ノマド投資家 小泉雅史です。シリコンバレー滞在中に話題のAirbnbに宿泊してみました。今回はその感想について書きたいと思います。

 

まず、Airbnbを利用しようと思った動機は2つあります。1つは日本でAirbnbを使って所有物件の部屋を貸したいと考え、自らユーザーとして宿泊することでオペレーションを学びたかったこと。もうひとつは、単純に宿泊費のセーブです。

 

じつは渡米前に試験的に所有物件の1室をAirbnbで募集してみたのですが、何とたった3日間の掲載で3件もの申込・問合せが入りました。この反応率には正直びっくり。申込者の属性は、2人はアジア系外国人、残りの1人は日本人でした。類似物件も調査して1泊5000円程の価格を付け、紹介文と画像をアップしただけですが、すぐに申し込みがありました。Airbnbで高稼働率の部屋を調べると多くは外国人観光客狙いで運営されています。紹介文も英語で書かれており、宿泊したゲストのレビューも外国語です。

 

しかし、今回掲載した所有物件の紹介文は日本語。しかも、宿泊ゲストのレビューは始めたばかりなのでゼロ。にもかかわらず、3日間で3件という反応の良さにAirbnbは期待できそうです。

 

では、実際にAirbnbで貸す場合、どのくらい儲かるのか見てみたいと思います。今回掲載した部屋は通常月45000円で賃貸していますが、Airbnbでは1泊5000円で募集しました。仮に月間100%の稼働率だった場合、150000円の収入となります。通常の3倍ですね。もちろん、100%稼働は非現実的ですが、仮に50%稼働でも75000円となります。あとは清掃やシーツ・リネン交換などのオペレーション・コスト次第ですが、通常、清掃費用等は別途徴収している部屋が多いので、十分収益が見込める計算になります。

 

実際、米国で利用したAirbnbはシリコンバレーのSunnyvaleという町にある2LDKのアパートの1室でした。2ベッドルームを2人に貸していましたが、気になる価格は、なんと1泊4500円。これにルームクリーニング代とAirbnb手数料が加算されますが、それでも合計の日割り金額は5600円程度。シリコンバレーのホテルの相場は1泊15000円~20000円ぐらいですから激安です。さらにこの部屋がユニークなのは、中国人投資家によりAirbnb専用の収益物件として運営されていたことです。まさにノウハウ吸収には最適な物件でした。

 

宿泊施設となるとやはり観光地へのアクセスが最重要となりますが、私も視察予定に合わせて立地重視で選びました。この部屋はアップル本社やGoogleキャンパス、サンノゼ国際空港にも近い好立地のため、高稼働率で回っており、投資は成功しているようでした。

 

さて、気になるAirbnb物件のオペレーションですが、まず利用に際して、ゲスト登録が必要となります。ID認証と言いますが、本人確認のためAirbnbのプロフィールを他の情報ソースと照合することで認証が行われます。例えば、パスポートなどの身分証明書のスキャン画像やFacebook、Google、LinkedInなどの外部アカウントのオンライン・プロフィールとAirbnbアカウントを連携させる方法、電話番号とメールアドレスの確認など、複数の方法が選択可能です。どの方法を求められるかは宿泊先ホストによって異なりますが、今回の中国人ホストは高レベルの「パスポート認証」を求めてきました。専業で運営しているだけあって厳格です。

 

また、Airbnb ではホスト・ゲスト共にレビュー機能があり、宿泊後にお互いを評価し合うことで、それぞれの評判を蓄積して行くことが可能です。この評価はホストがゲストを受け入れる際の重要な判断材料になりますので、低評価は次回のAirbnb利用に影響します。自浄作用が働く仕組みになっているわけですね。

 

ID認証が終わると、いよいよ部屋の予約となるのですが、気になるのはキャンセルポリシーです。このキャンセルポリシーもホストによって自由に設定可能です。ちなみに、今回のホストは厳格で、予約した時点で50%が返金されませんでした。そして7日前からは全額返金不可です。一方、ホストからすればキャンセルされても宿泊料の50%は確保できるわけですから、経営上は上手いやり方だと思います。

 

次に、支払い方法を選択します。クレジットカードやペイパルの使用が可能でした。予約時にAirbnbが決済金を預かり、チェックインの24時間後にホストに送金される仕組みです。ID認証、予約、そして決済と一連の処理が進むと、Airbnbのホスト・カレンダーと自分のゲスト・カレンダーの予約期間がグレイアウトされます。同時にホストから物件の正確な住所とチェックイン方法が書かれたメッセージが届きました。Airbnbではセキュリティー上、予約完了まで物件の正確な住所は開示されません。サービスの安全性を高める工夫が随所に施されている印象です。

 

そして、いよいよ当日を迎え、シリコンバレーでAirbnb宿泊施設にチェックインしました。気になるチェックイン方法ですが、事前にYoutubeのURLが送られてきて、自分で動画を見ながらチュックイン方法を確認します。そして、現地に行くと扉にキーボックスが付いており、教えられた番号に合わせるとマスターキーを取りだすことができました。そのカギで家に入り、さらに自分の借りる部屋のカギを開けて、セルフチェックイン完了。誰にも会わずに簡単にチェックインできました。ホストの運営方法によってチェックインの仕方は様々だと思いますが、今回の方法は遠隔で所有物件を貸し出す際にとても有効です。また、ホテルの場合はレセプション・カウンターでの会話やポーターへのチップ等、面倒くさいことも多いですが、それが一切不要なのが魅力です。

 

滞在した部屋は普通の2LDKのアパート。意外だったのは、ホテルと違い自分の家のようで妙に落ち着いたことです。トイレとバスは共用でしたが、滞在中一度も他の宿泊者と重なりませんでした。キッチンや冷蔵庫も自由に使用可能。滞在中の布団・シーツの交換は無く、タオルや石鹸、シャンプー、歯ブラシ等も添え付けが無いため自前で準備が必要ですが、私の場合は持参したものがあったので全く問題ありません。正直、とても居心地が良かったので合計7泊もしました。それでも宿泊料は39000円程で激安。ホストは物件には住んでいませんが、何か問題があればAirbnbのメッセージ機能ですぐに連絡が取れたのでストレスは感じませんでした。アメニティやタオル交換コスト不要、シーツ交換やルームクリーニングはチェックアウト後の実施と、この宿のオペレーションはかなり効率的に作られていました。

 

今回実際にAirbnbを利用してみて分かったこと。それは、Airbnbはユーザーに大別して2つの価値を提供しているということです。1つは従来の宿泊施設が提供できなかった多様な種類の部屋や場所での宿泊機会の提供。Airbnbには本当にユニークな部屋が多数登録されています。専門用語ではロングテールと言いますが、多様な利用者ニーズに対して、より希望に合った宿のマッチングが可能なマーケットプレイスとして機能しています。正直、部屋探しが楽しいです。2つ目は低価格な宿泊施設の提供。今後は、高品質なサービスを求めるホテル客とAirbnbのようなセルフチェックイン施設を求める価格優先客に2極化して行くのではないでしょうか。

 

また、もし物件オーナーとしてAirbnbで部屋を貸すことを考える場合、注意することは法規制です。アメリカも同様かと思いますが、日本ではAirbnbで部屋を貸す場合、旅館業法に抵触する恐れがあります。不特定多数の宿泊者に宿泊料を取って反復滞在させる行為は旅館業に当たりますので許可が必要です。一方、政府は日本を訪れる外国人観光客の受け入れ先確保のため、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」という特例を設けて、特別区域内の外国人宿泊に限って要件を満たせば旅館業法を適用しないとしています。特別区域は東京、京都、大阪等が該当しますが、つまり区域内では外国人限定で部屋の短期賃貸が可能です。

 

もう一点注意が必要なのが、物件オーナーではなく、賃借人が部屋をAirbnbで「転貸」するケースです。転貸自体は違法ではないですが、通常物件オーナーとの賃貸借契約には転貸禁止の条文がありますので、発覚すると契約違反となり契約解除の対象となります。

 

しかしながら、シェアエコノミーが普及する中でAirbnbという従来の法律や規約が想定しない宿泊施設紹介サービスが出現したわけですが、前述のとおりAirbnbはユニークな宿泊機会の提供や宿泊費の低減という付加価値を生み出しているのも事実です。実際、私も米国で利用してみて、とても便利でした。

 

結果、消費者が求めるかぎり、Airbnbのようなサービスは今後も増えるでしょう。また、不動産投資家としても、そのような潮流を上手く賃貸経営に取り入れることで収益向上に結び付けて行きたいところです。

 

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