ノマド投資家 小泉です。前回に引き続き、昨年実際に現地視察してきたニュージーランド不動産投資の魅力とノマドライフ実現の可能性について書いてみたいと思います。
ニュージーランドは、「人口増加」、「堅調な経済成長」、「需要旺盛な不動産市場」、「長期的には通貨高」、と不動産投資の魅力度が高い国でしたよね。では、実際に私が見学したオークランドの物件実例で具体的な投資イメージを説明してみます。
まず、物件構造ですが、オークランド不動産の多くは戸建タイプとなります。オークランドの中心街にはRCタイプのコンドミニアムもありましたが、中心から少し離れ住宅街ではほとんどがレンガや木造の戸建タイプでした。その戸建を1家族やシェアハウスにして複数人に賃貸しています。また、ニュージーランドの人々は中古物件を古くなっても壊さずに、良く修繕して住みます。よって、築100年などといった家がゴロゴロあります。
驚くのは、そのような古い物件が価値を失わず、立派な価格で取引されていることです。中古物件でもしっかりメンテナンスすることで物件価格が下がらず、むしろインフレによって価格が上がっていくのです。これは不動産投資の観点から見ると素晴らしいことです。
それでは、実際の物件の投資例ですが、
中古物件A:
構造:木造戸建て
建物面積:112平方メートル
3ベットルーム、1バスルーム、シングルガレージ
土地面積:No data
築年:No data
物件価格:347000ドル
想定年間家賃収入:20,644ドル
表面利回り:5.9%
初期費用
物件価格:347000ドル
頭金40%
ローン(NZ建6.0%、期間30年)60%
固定資産税:1660ドル
保険・管理費:1721ドル
エージェント費用:3%
登記費用等:2000ドル
年間修繕費:200ドル
年間収支
収入
家賃:20644ドル
支出
ローン金利:12492ドル
固定資産税:1660ドル
保険・管理費:660ドル
管理料:2064ドル
修繕費:200ドル
エージェント年会費:1000ドル
支出計:18076ドル
キャッシュ利益:2569ドル
*想定物件価格上昇率:3.0%/年(キャピタルゲイン)
*想定家賃上昇率:3.0%/年(インカムゲイン)
*購入時為替:1ドル90円
とのことでした。
上記の収支にはローンの元金返済が含まれていないので、単純にそれを加えた手残りのキャッシュフローで見ると、ほとんどキャッシュ利益は残らないと思われます。原因は、やはり物件価格が高いということです。
実際、オークランドの不動産はかなりバブル状態でした。ちなみに、簡易的なバブルの判断方法ですが、まず物件を見て常識的な価格を想像してみます。次に実際の価格を見ます。その時にかなり高いと感じたらバブルの可能性が高いです。
この感覚は現地の所得や物価とも関係しますので、現地のデータを知るほど精度は増しますが、外国人が見てもそう感じるとなると、それは確実にバブルですね。
さらに、物件価格および家賃が年平均3.0%の上昇(インフレ)と想定されていますので、それを加味して再計算してみると、
10年後価格:
年間家賃:27744ドル(に上昇)
表面利回り:8.0%
物件価格:466339ドル(に上昇)
物件含み益:34%
となり、仮に10年後に売却を想定した場合の物件含み益は34%と大きくなり、家賃上昇による表面利回りも8.0%に改善されるので、投資としては大分魅力的に見えるようになりました。
さらに、為替が仮に現状90円から10年後に40%程円安の126円になった場合でシミュレーションしてみると、
円換算:
当初年間家賃(1ドル90円):186万円
10年後年間家賃(1ドル126円):350万円
表面利回り:11.2%
購入時物件価格(1ドル90円):3123万円
10年後物件価格(1ドル126円):5876万円
物件含み益:2753万円 88%
と表面利回りは11.2%に改善。物件含み益もなんと88%と大きく膨らみ、平均すると家賃収入と売却益で年間20%弱ぐらいで運用できたということになるでしょうか。
このシミュレーションから分かることは2つです。
1つは、インフレ状況下での不動産投資が如何にパワフルであるかです。日本の不動産市場では長らくデフレで価格が下がる一方でしたので、家賃収入というインカムゲイン一本やりでしたが、やはり不動産投資はインフレ状況下で行うべきであるということを痛感させられます。
2つ目は、海外投資のリスク・リターンは為替に大きく左右されるということです。今後世間て言われているとおり、日本の国力低下で円安が進み、且つオークランドの不動産が想定どおりの年3%程のインフレになる場合、ニュージーランドの不動産投資はとても魅力的になる可能性を秘めています。
そして、この考え方はニュージーランドに限らず、インフレが見込まれる他の外国でも同様に当てはまるということです。
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