ノマド投資家 小泉雅史です。前回はバフェットの投資法について書きましたが、今回は米国の著名投資家ジム・ロジャーズの投資法についてまとめてみたいと思います。
彼の投資法の特徴は、企業のEPS(一株利益)に大きな変化をもたらすような「ビッグチェンジ」を見つけ出し、その変化に投資することです。バフェットの長期安定成長する企業に投資するスタイルとは異なり、どちらかというとマクロ・アプローチにより、国の政治・経済、業界の技術動向・規制緩和、企業の事業構造・経営の変化等に着目し、その変化(ビックチェンジ)によって投資対象企業のEPSがどれだけ増加するかを分析し、変化が起こる初期に投資して行きます。
この投資手法についてジムロジャーズは、「細かいことに囚われず、大局を掴むことが重要である」と述べています。つまり、細かいことが気になるようでは、それはビッグチェンジではないと言うことだと思います。
ただ、実際にはマクロから絞り込んでいくトップダウンアプローチの実践は結構難易度も高く調査も広範囲に亘るため、より簡便な方法として有効なのが個別企業のテクニカルチャートで新高値を取ってくる銘柄からビッグチェンジ(事業や経営上の大変化)を起こしている企業を探し出すアプローチです。
株式市場で新高値を付けてくる企業は通常、そのEPSにおいてポジティブな変化が起きている企業です。しかも、過去の高値を更新してくるということは最高益が見込まれているわけです。このようなビッグチェンジ企業をテクニカルチャートから発見し、株価が新高値を付けて大きく上離れるタイミングで投資するのが最も実践的なアプローチです。
ビッグチェンジ企業のEPSは急成長することも多く、その変化に投資家も過剰反応するため、往々にして株価は驚くほど上昇します。まさにオーバーシュート気味に典型的なS字成長カーブを描くチャートとなりがちです。しかしながら、企業は永久に高いEPS成長率を維持することもできないわけで、ある時点で成長の鈍化が露呈すると株価は暴落します。その直前の頂点で売り抜けるのが理想の出口戦略となります。
テンバガー(10倍株)などと呼ばれる大化け株はこのようなビッグチェンジ企業から多く生まれます。業績回復企業や急成長ベンチャーなどが主な投資対象です。この投資手法は、バフェットの安定企業を長期保有する投資法とは異なり、株価が大きく上ブレして急成長を織り込んだ時点で売却することが基本戦略となります。期間は中期保有程度でしょうか。まさにビッグチェンジ=ビッググロースと捉える「成長株投資」となります。
この投資法の銘柄選定基準は、過去2~3四半期で最低でも売上10%以上、経常利益20%以上の成長がある企業が対象となります。それから株価が大きく上昇するための条件として、直前までに株価の変動幅ができるだけ少なく長期間の「持合い期間」あることが重要とのことです。これは持合い期間を通して過去の売買株価の「シコリ」がきれいに解消されていることが必要との解釈で問題ないと思います。
通常、現在値より上下に振幅が大きい株価はその過程で売買のシコリがあることが多く、そのシコリが抵抗線となって株価が上離れし難くなるケースが多いからです。そのような条件も加味しながらテクニカルチャートを足がかりにファンドメンタルにおけるビッグチャンジの裏付けを確認することで成長企業を発掘して行きます。
ジム・ロジャーズの投資法は不動産投資に例えると、オーナーチェンジ(経営者変更)によるボロアパートの再生(ビッグチェンジ)のような投資と言えるでしょうか。
それでは、次回はジョージソロス流 再帰性バブル投資法について書いてみたいと思います。お楽しみに。
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