SOHOビレッジ型マンション

ノマド投資家 小泉雅史です。ここ数年の不動産ブームで物件価格が高騰していたため、しばらく不動産投資は控えていました。しかし、今年はだんだん値段が下がってきたので、久しぶりに一棟マンションをバイアウトしています。

今回投資した物件は、前オーナーの経営がうまくいっておらず、7割が空室という再生物件。建物のメンテナンス状態が悪く、かなりの大規模修繕も必要でした。

私が再生物件として選ぶのは、潜在的な価値はあるけれど、それが十分に顕在化していない物件です。そういうポテンシャルがある物件を安く取得して、再生させることで潜在価値を顕在化させていきます。

再生手法は単なる建物修繕だけではなく、物件コンセプト再設計からコンセプトに沿った建物リノベーション、マーケティング改善、管理会社の変更、空室募集をしてくれる仲介不動産業者の見直し、ネット広告改善など、経営全般に及びます。

まずは、その物件の潜在価値つまり「個性」を発掘し、その価値を顕在化させるエッジの立った再生コンセプトを考えます。ここが最も重要で他者との差別化ポイントです。

次に、そのコンセプトを具現化するマーケティングの4P、建物リノベデザインや賃料の設定、管理会社の変更、仲介業者への営業強化、各種プロモーションの改善に取り組んでいきます。

ちなみに今回の物件のコンセプトは「SOHOビレッジ」です。SOHOビレッジは、働き方改革により増えるであろうフリーランサーや複業を持つ人、個人事業主が自宅兼事務所として寄り添って住める「共生ビレッジ型」のコンセプトマンションです。

パソコンとインターネットでリモートワークできるノマドワーカーがライフスタイル重視で自宅兼事務所として住める物件はじつはあまり多くありません。

駅近には事務所利用可のマンションも少しずつ増えてきましたが、駅近には無い落ち着いた住環境でライフスタイル重視でSOHO利用できる物件はまだまだ希少なのです。

原因は、リモートワークのような働き方が普及してきたのは最近のため、まだ事務所利用可の住居賃貸は一般的ではないこと。賃貸借契約書にも住居専用と明記されていることが多く、実態は大家さんに隠れてこっそりSOHO利用している入居者も多いのです。

一方、大家さん側にも事情があって、住居専用で住んでいる他の入居者の手前、個別にSOHO使用を認め難いのが現状です。

そこで、

「だったら自然豊かな環境でライフスタイルにこだわりながらSOHO生活できる専用マンションを作ってしまおう!」

しかも、全室開業届け・法人登記自由。同じようなフリーランサーや複業家、個人事業主が寄り添ってビレッジ感覚で共生できるマンションを作る、というコンセプトをデザインしました。

この物件の前には自然豊かな清流があり、川沿いをランニング、緑あふれる公園でヨガ、釣りにBBQ、毎日散歩するだけでリフレッシュ、新しいアイデアもどんどん浮かんできます。自然を愛するデジタルクリエイター系にはぴったりの場所。

さらに、リモートワーク環境として高速インターネットが全室無料、加えてユニークなのは、希望する入居者には独立開業・収入アップ支援のコンサルティングサービスも付いていることです。

同志の仲間と共生しながら、自然を楽しみ、働き、しかも独立・収入アップも目指せるマンションです。

結果、地域では比較対象が無い、とてもエッジの立ったオンリーワン物件に仕上がり、近隣相場の競争に巻き込まれない希望賃料の設定が可能となりました。

ようやく建物の大規模修繕も完了したので、いよいよ今後は空室募集にフォーカスしていきたいと思います。これは、まさに新規事業の立ち上げですね。

物件リフォーム後

物件リフォーム前