ノマド投資家 小泉雅史です。3回シリーズで書いてきましたが、最終回はジョージ・ソロスの投資法について書いてみたいと思います。 ジョージ・ソロスは、ハンガリー生まれのユダヤ人です。ニューヨークに移住後は、ジム・ロジャーズとヘッジファンド「クォンタム・ファンド」を率いて、ポンド売りでイングランド銀行を打ち負かし、史上最強の投資家と呼ばれるようになりました。
ジョージソロスが提示した再帰性理論とは、例えば株式投資で言うと、株価が上がるとその資産効果で消費が増え、企業業績も改善することで、さらに株価が上がるという「ポジティブフィードバック」が発生するというものです。これはコントロールすることがとても難しく、一旦発生すると自己再帰ループを描きながら株価をどんどん押し上げて行き、やがて熱狂的なバブルを生みだします。最後には株価が実際の企業ファンダメンタルとの乖離に耐えられずクラッシュして終焉を迎えるというものです。
実際、このような再帰性バブルは株式市場の至る所で発生しています。仕手株が提灯を点けた株などが典型で、ポジティブフィードバックによる資産効果で儲かった投資家がどんどん株を買いあげて行きます。そして、どこかのタイミングで株価が過剰に値上がりし、それ以上高値で買う投資家がいなくなった時点で暴落することになります。
この投資法はこのようなバブルに投資する手法であり、バブルの芽を早期に見つけてポジションを構築し、バブルが弾ける前に売り抜けるというものです。また、バブルが弾けてからショート(空売り)で入り、実際の企業価値まで株価が落ちて行く過程で利益を出す手法も同様です。実際は株価がオーバーシュートすることが多いです。
この投資は企業のファンダメンタルとはあまり関係がなく、再帰性バブルが発生し始めると抑制することが難しいというメカニズムに投資しているので、需給状況の分析がメインになります。出来高増加やチャートの形、PERなどをチェックしていくことで、ポジティブフィードバックによる資産効果が起こっている銘柄を発見して行きます。
実際の投資では、バブルの芽を見つけることよりも再帰性バブルが発生している銘柄を出来高上位などから見つけ出し、バブルが弾けた後にショート(空売り)から入る方法の方が投資機会を見つけやすいと思います。ちなみに、このスタイルは投資というよりも投機です。企業の実態価値とは無関係のところで起こっているバブルにタイミングを見てポジションを作ります。テクニカルを重視してトレード中心で臨み、タイミングが合えば驚くほど暴利を得られるのがこの手法の特徴です。
ちなみに不動産投資に例えると、新興国におけるキャピタルゲイン狙いのコンドミニアム投資などは近いでしょうか。賃貸によるインカムゲイン狙いではなく、不動産価格のバブル的上昇を見込んだ投資です。ただし、株式におけるショート戦略は現物の不動産投資では基本的に不可能な投資手法です。
これまで紹介した3つの投資手法はそれぞれ特徴があり、上手く組み合わせることで、とても有効な投資戦略を構築できるのではないかと考えています。
改めて分かりやすく不動産投資の例えでまとめると、バフェット的投資は「都内の一等地タワーマンション投資」、ジム・ロジャーズ的投資は経営者交代による「アパート再生投資」、ジョージ・ソロス的投資は「新興国の不動産バブル投資」です。
今後はそれぞれの投資手法を実践する過程で気づいたことなども、このブログやメルマガに書いていきたいと思います。お楽しみに。
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