事業キャッシュフローに投資すること

投資にも色々なものがある。大別するとペーパーアセットと言われる株式などを含む「金融商品投資」と、不動産などが代表的な「現物投資」である。皆さんご存知のFXは証拠金取引で「金融商品投資」。実際に円を外国通貨に替えて持てば現物投資となる。

 

様々な投資商品の中で、私は「キャッシュフロー」に投資することを重視している。キャッシュフローも色々ある。不動産であれば、アパート・マンションの家賃。ビジネスであればその事業からの利益(厳密にいえば、会計上の利益ではなく、キャッシュ利益)である。そのキャッシュフローを裏付けに投資を行っている限り、大損したり、だまされたりすることは減るはずである。

 

キャッシュフローへの投資は、毎月入ってくるキャッシュ利益の何年分を買うという発想だからだ。例えば、不動産投資の場合、簡略化して説明するが、利回り10%とは10年で回収できるということである。つまり今のキャッシュフローがずっと続いて、10年後から利益を得られるということだ。20%だったら5年後から利益。

 

だから投資判断するときも、今のキャッシュフローが将来どうなるか?その予測を前提に何年回収になる投資か?出口戦略は?こういった視点で分析・判断している。これと異なるのが売却益を狙った投資である。通称キャピタルゲインである。(キャッシュフロー投資はインカムゲイン狙い)

 

キャピタルゲイン投資の典型は株のデイトレードである。企業のキャッシュフロー分析、いわゆるファンダメンタル分析は全く関係ない。今買って、1分後にいくらで売れるか?その思惑にかけているのである。もちろん思惑が当たれば利益が出る。ただ、企業の事業から生み出されるキャッシュフローを分析して投資するよりも、リスキーと言わざるを得ない。なぜなら、自分の買値よりも高く買ってくれる人がいることが前提の投資であり、次に高く買ってくれるなら「石ころ」でもよいからだ。

 

理解してもらえたと思うが、株式投資を見てもキャッシュフロー重視のインカムゲイン投資と転売益を狙ったキャピタルゲイン投資が存在する。専門的に正確に言うと、株のインカムゲイン投資とは「配当」+「企業に内部留保された利益」の合計への投資である。それの何年で投資金額を回収できるかを考える。

 

キャピタルゲイン投資の分かりやすい例をもうひとつ。例えば、「金(ゴールド)」への投資。金はただ持っていても何の事業キャッシュフローも生み出さない。貸し付けて利子を得たりすれば別だが、通常キャッシュフローを生まない。だからキャピタルゲイン狙いの投資である。その価格は需給で決まる。

 

私の基本スタイルは事業投資なので、キャッシュフローを重視している。事業から生まれるキャッシュフローを分析して将来予測のもと投資の可否を決めている。皆さんは何年回収ぐらいなら妥当な投資と考えるか?利回り10%で10年回収、20%で5年回収、30%で3.3年回収である。

 

そしてキャッシュフローへの投資の方がキャピタルゲイン狙いの投資よりも、シンプルで、確実性が高く、より安全で、健全であると考えている。また、事業キャッシュフローという視点から見れば、不動産投資も株式投資も他の事業投資も、みんな全く同じだと考えている。アパマン賃貸事業からの家賃収入と企業の事業収入の違いは何か?答えは、どちらも同じ事業キャッシュフローである。では、賃貸アパマンを所有する企業の株を買うということは?株は企業を所有する権利であり、株式購入はその企業を通じて家賃収入を買っているのと同じである。

 

とても不思議なのだが、世の不動産投資家は不動産のことばかりを話し、株式投資家は株式のことばかりを話す。私から見ればどちらも同じ事業キャッシュフロー投資であり、よい投資対象があれば両方やればよいと考えている。キャッシュフローを注視すればするほど、そのことに気づくはずだ。

 

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