グローバルノマドを目指して最近海外へ視察に行き始めていますが、今回は成長国フィリピンの証券取引所を見学したことについて書いてみます。
フィリピンのウォール街と言われるマカティの中心にある高層ビルに証券取引所はあります。約240社が上場されているそうですが、企業数で言うと、日本の10分の1以下です。建物に入り、受付を通過後、上階の取引所見学ブースに向かいます。その見学ブースからは写真のとおり、取引所フロア全体を見渡すことができます。正面の電光掲示板には上場企業の株価がリアルタイムで表示されていて、当たり前ですが、ちゃんとコンピューター化されてますね。
ちなみに、フィリピンの2013年の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比7.2%とのこと。2011年は3.9%、2012年は6.8%であり、近年急成長していますが、2014年は第1四半期が前年同期比5.6%、第2四半期が6.4%にとどまり、第3四半期もサービス業の伸び悩みや農業分野のマイナス成長などにより、5.3%と成長は鈍化するようです。
1人当たりのGDPは2011年2,379ドル、2012年2,612ドル、2013年2,790ドルと堅調に上昇しており、消費者物価上昇率も2011年4.6%、2012年3.2%、2013年3.0%となっています。
2012年の産業別成長率を見ると、通信9.1%、不動産7.9%、金融7.8%であり、旺盛な内需がフィリピン経済を支えていると言えます。
また、近年コールセンターなどのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が高い成長を示しており、教育水準の高い若年層人口、安い人件費、且つ公用語が英語であり、通信インフラも安定していることから、外資系企業の進出が盛んです。BPO産業における2013年の直接雇用人数は約200万人。2016年には約230万人への増加が見込まれているそうです。
大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2014年5月8日にフィリピンの格付けを「BBB/A━2」へと引き上げました。投資適格級で下から2番目の水準であり、フィリピンの格付けをこの水準に引き上げるのは、はじめてとのことです。
民間企業のフィリピンへの直接投資も年々増加しており2006年からの直接投資累計額を国別でみると、日本、オランダ、米国、韓国の順だそうです。周辺国の不動産価格や人件費などの急騰が増加の背景にあります。
しかしながら、フィリピンはアジアの中でも未だかなり工業化が遅れており、国民の3分の1は農業に従事しているとのこと。財閥系企業の従業員や、一部の大地主が国内の富をほぼ独占している状態です。
ちなみに、日本からフィリピンへの投資方法としては個別株とETFが可能です。日本のアイザワ証券ではフィリピン個別株の購入が可能のようです。ETF銘柄としては「MSCIフィリピンインデックス(EPHE)」等があり、SBI証券等で購入可能です。
フィリピン証券市場は、上場企業約240社の内、時価総額上位10銘柄で市場の約60%を占める寡占状態が続いており、旧植民地時代から続くスペイン系財閥(アヤラグループ)や、中国系財閥(SMグループ)などが長年に渡って同国の経済を牛耳っています。よって、ETF投資においても、そのような財閥系企業中心の銘柄構成となります。
過去10年のフィリピン総合指数を見てみると、2009年のリーマンショックを除いて、一貫して右肩上がりで成長しています。つまり、2009年に指数に投資していた場合、ほったらかしでも3.5倍になったということですね。
現在のフィリピンは東南アジアで最も貧富の差が激しい国の1つですが、今後所得格差が縮まり、中間層が拡大してくると、内需の成長が見込め、フィリピンの株式市場もさらに大きく成長することが予測されています。
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