ブルースタジオの大島芳彦さんの講演が素晴らしい

ノマド投資家 小泉雅史です。日本における不動産リノベーションの第一人者、株式会社ブルースタジオ専務取締役 大島芳彦さんの講演を聞いてきました。そして、その講演内容に非常に感銘を受けました。

私自身も自己物件の日々の経営で試行錯誤しながら気づき始めていたことを分かりやすく、論理的に総括してくれました。

大島さんの「感性」だからできる部分も多々ありますが、だからこそ、自分のアートを考える上で、参考になる点も多かったです。

内容は今の日本の「ものづくり」に共通する課題ですが、「不動産」という具体例で説明頂けたのが良かったです。

以下、参考になればと思い、大島さんの講演の要約を投稿します。

 

不動産の価値は「まち」の価値

不動産の価値とは、建物の価値でもなく、敷地の価値でもなく、「まち」の価値である。つまり、不動産開発とは、「まちのデザイン」である。

日本のまちづくりは、高度成長時代から現在まで、「付加価値」の追求であった。しかし、これからの成熟時代に求められることは、「付加」ではなく、今存在する物の潜在価値の「編集」である。それは、新しい「見立て」によって、今の時代にその物に求められる新しい価値を「見出す」ことである。別の言い方をすれば、「新しく作る」ことではなく、「使い方をリデザインする」こと。

 

「まち」の宝物を編集する

各々のまちには時間の蓄積に基づく固有の価値があり、それらは自然や地形、その上に建つ歴史ある建造物、そこに代々住む人々、彼らの生活文化、衣食住など多岐にわたる。

「見立て」て「見出す」とは、そのまちの固有の「宝物」に着目し、新しい視点から再編集することであり、見出された新しい価値を一貫性のある物語として伝え、関係者の共感を生み出すことである。

 

オンリーワンの「まちづくり」

「あなたでなければ」、「ここでなければ」、「いまでなければ」を追求し、新しい見立てによってリデザインされた「まち」は、従来のマスマーケティングで量産された画一的な不動産や店舗、商品・サービスなどの集積としての「まち」にはない、「私たちのためのオンリーワンのまち」となる。

そこには、消費者としての住人ではなく、当事者としての住人が存在し、主体性を持った当事者同士の共感のつながりによって、持続的なコミュニケーションのある暮らしが生まれる。それが「まちの価値」の向上につながり、ひいては不動産の価値向上を実現する。

 

不動産経営にも「まちづくり」を導入

沢山の選択肢がある成熟時代に、人々に選ばれるオンリーワンのまちづくりとは、そのような編集プロセスの追求である。そして、賃貸アパート・マンションを所有する不動産オーナーもまた、そのまちづくりの一端を担っており、同様に編集プロセスの追求によるオンリーワンの不動産づくりを求められている。

「オンリーワンのまちづくり」という視点を不動産経営に持ち込み、所有不動産の中でできる「オンリーワンのまちづくり」を実践することが非常に重要であり、それがその地域のまちづくりの「起点」になることも大いにある。

以上

 

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