オーナーシップによる経済復興

★★バークシャーハサウェイの取締役 Meryl Witmerと撮影★★

ノマド投資家 小泉雅史です。ビジネスは社会経済を動かし、より良い暮らしを実現する「エンジン」であると認識していますが、このビジネスエンジンを作り上げるには、主に以下の3つが必要です。

1. 知識・ノウハウ
2. 資材
3. 労働力

原始的に考えれば、例えば、町に橋を作る場合、上記の資源を住民が現物出資すれば、橋を作り上げることが可能です。

そして、橋の通行料を出資比率に応じて分配することで、一つのビジネスエンジンが完成します。

住民はこのビジネスエンジンを保有・改善して行くことで、より良い暮らしを実現して行くことができるのです。

このようなビジネスエンジンを複数、地域住民のオーナーシップを基に作り上げて行くことで、当事者意識を持った住民によるまちづくりが実現します。

さらに地域通貨を発行すれば、セントラルバンクに依存しない自立した地域経済を手に入れることもできるでしょう。

これが社会経済システムの原理であり、従来の技術ベースで効率性を追求した結果である現在の国家単位による中央集権型システムや大企業主導の高度分業型生産システムを、より地域ニーズに合った形でdecentralizeするための思考方向でもあると考えています。

しかし、一方で、人にはリスクに対する様々なスタンスがあります。積極的にリスクを取れる人から、不安からリスクを避けたがる人までいます。

前述の住民がオーナーシップを持ったまちづくりの実現においても、この人々によって異なるリスク特性も考慮することで、より現実的なまちづくりが可能です。

つまり、人には、自分が出資したものに対する見返りの確実性を求める人と、そのビジネスの不確実な成果に対して分配権を許容できる人が存在するのです。

分かりやすく言うと、確実性を求める人は「雇用者として給料を得る」ことを好み、不確実性の中でも高い分配権を求める人は「オーナー志向」の人です。オーナー志向の代表例は起業家・投資家です。

このような人によって異なるリスク志向を考慮しながら、ビジネスエンジンへのオーナーシップをデザインして行くことが、現実的には非常に重要なポイントとなります。

そして、今の日本の大企業や行政の仕組みが上手く機能し難くなっているのは、このオーナーシップの持たせ方の問題が大きいのではないでしょうか。

ウォーレンバフェットは、オーナーシップに対する自身の考え方を経営する会社、バークシャーハサウェイで体現することで大成功しています。その考え方を彼から学び、日本の現状に当てはめてみると、

今、日本に求められているのは

1. 地域行政による地域経済に対するオーナーシップのリデザイン

2. オーナー志向の民間起業家や投資家のリーダーシップによる地域ビジネスエンジンの創造・所有・維持改善

3. 雇われ志向の人たちにも部分的にオーナーシップを持たせることで当事者意識を高める仕組みのデザイン

ではないかと思います。